第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
質問されて視線を目の前に移すと、銭湯顔負けの広さの脱衣所がある。ちょっとした湯冷まし用のカウチや長椅子。足湯用のスペースまで完備とは。全身小麦粉まみれで読んで字の如く白人の男は脱衣所の先にある湯で曇ったガラス張りの扉を開ける。
扉の先には、椅子や桶、浴槽、全て檜で統一された風呂場。
しかも風呂場は源泉掛け流しなのか、常にお湯が流れてる。
「えっと、どういう事でしょう?」
一見、大旅館みたいに広いお屋敷に見えるとはいえ、普通、風呂場は一ヶ所というのが一般家庭の常識。
少し不快ではあるが、男性より女性優先。こう言った場合、レディーファーストにしておかないと後々、何かと言われてしまうのが、可哀想な今時男子。
「あぁ、此処は見ての通り、野郎ばっかのムサイ男所帯でなぁ、一度に大量に入れる様大浴場があるんだが、家主達やその他いろいろ、緊急時に迅速に風呂に入り身を清めたい場合の為に小さめの風呂場があるんだ。」
と、言って、脱衣所の扉を閉めて、隅にある小さめの木の扉を開ける。三畳くらいの広さの脱衣所とカーテンで簡単に仕切られたタイル張りの床と一人なら足を伸ばして寛げる程度のユニットバスがあった。
「おっ!結構広いなぁ。昔あったっけ?」
「いや、つい最近作った。」
少し苦虫を噛んだ様な顔をして折敷が答える。
「基本、前は家主が時間決めてその時だけ入ってたんだが、チョイとバイトやらで忙しかったり、俺たちが急遽全身汚れて、風呂に入りたくなった時用に作ったんだ。」
先程の畑と台所のひと騒動を思い出し思わず納得してしまう一同。
此方のサブ風呂場、設置理由についてもう一つ裏話があるのだが、とある少女ととある男士の沽券に関わるので伏せておこう。
「それでどうする。一応ここの風呂も山の方にある源泉から汲み上げてるから効用は一緒だ。自動打たせ湯は出来んが」
普通浴室に設置されてる追い焚き機能や給湯温度設定版が置かれて無い。下手な文明機器、電化製品は置かない。ウチの永久近侍兼政府からの伝令役は何故こんなことがという事象を平気でやってのける。
皆で満場一致で設置したサウナ室も、どうせつけるならとジェット噴流付きユニットバスを設置した半日後に破壊した。
流石にあの時は天を仰いだ。