第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
途中、鯰尾と合流したのでそのまま、主の伝言を伝え、ついでに客人からは見えない視覚を狙い、先程の報復とばかりに鯰尾の脇腹にに拳をめり込ませようとしたが此方は太刀、彼方は脇差、脇の守りが堅く難なく避けられてしまった。恥ずかしい。
客人の方をチラリと見るが、痴態を晒す事はなかった。この家はかなり珍しい。昔ながらの長屋造りと平屋造り。調度品も昔ながらのものが多いし、人様の家というのはどうしても興味が沸くものだ。
また、こちらも珍しい客人に興味があるのか先程から襖の先でこちらを伺う視線を感じた。
「おっと、そうだ。どっちが広い風呂使う?」
広いとは同居人から聞いていたが予想以上に広い。というかそれより人の多さに驚きだ。庭には幼い子供が木登りや鬼ごっこをしていたり、畑には鍬を持つもの、作物を収穫するもの。道を歩いてると此方の視線に気づき会釈や手を振り挨拶をするものもいれば、此方を一度伺うもの、目もくれず何処かに向かうもの。
対応はそれぞれだが、とりあえず歓迎はされてる様だ。しかし、一体どういった間柄なのか全くわからない。ガテン系な人間もいれば文化人といった育ちの良さそうなお兄さんや、お坊さん。それに小さな子どもまで。そして皆、一応にして顔がいい。此方もそれなりに人に持て囃される容姿だが、向こうはその上を悠々と飛び越す勢いの美丈夫達だ。
正直、皆、どういった関係なのか気になって仕方ない。彼らが仕事仲間ならば、おそらく自分達はこの中の誰かの元で研修を受けるのだろう。しかし、皆、昼食は離れで召し上がっていて好みがまるっきりわからない。
偵察??いやいや、事前にいつもと違った主旨の研修とだけ聞かされ、詳しい事一切言われなかった者としては当然の行動だ。
勿論、友人の私生活が気になって仕方ないので様子を見に来たが
その間に事前にどう動くか、研修内容をある程度確認出来ればとは思う。期末テストの試験範囲を事前に伝えておかない教師はいない。
とはいえアテが外れたが。
そんな事をそれぞれ考えていたり、いなかったりした時に案内役からいきなり質問され、話の筋が見えず皆頭上に疑問符を浮かべていた。