第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「主、ごめん。お米を炊こうと思ったんだけど上手く出来なくて」
台所に行くと案の定、この本丸屈指のおっちょこちょいかつトラブルメーカーがいた。
燭台切光忠。備前長船派の祖と云われる光忠が打った太刀にして伊達政宗が所持。伊達政宗が家臣を手討ちにした際傍に会った燭台ごと切ったという逸話も残された。名刀。
前の主人の影響が色濃いのか、他の本丸の彼は料理がとても上手く何でもそつなくこなせるのだが、うちの本丸のは調理が苦手である。
「一体、何をすればこんなことに、」
「ご飯を温めようとしたんだ」「目を離した隙に生米を電子レンジに投入した」
大倶利伽羅が疲れた顔で答える。
「生米電子レンジに入れただけでこうはならない筈なのですが」
電子レンジを取り巻くように真黒焦げの米らしきものが爆発四散していた。
つい先程、台所を借りていた客人は目を離した隙に台所が野戦地と化していて唖然とした。天井まで米が飛び散っていた。
「リゾットを作ろうとシリコンスチーマーを使用した。」
「設定電子レンジのままだと思ってオーブンのまま使ったみたいなんだ。ゴメン」
「そうやって、すぐ新しいもの使いたがる。買ったばっかりだよ?ちゃんと説明書読んで、確認して使ってってお願いしたのに」
補足すると電子レンジはこの間新しいのに買い替えたばかりのスチームオーブンレンジ。ちょいとお高めの。保証期間内とはいえ、修理にどのくらいかかることやら
「ご、ゴメン。皆簡単に使ってたし、機械苦手の僕でも出来るかなって、つい。お客様が来てるし腕によりをかけて美味しいものを、って」
シュンと項垂れる。見た目伊達男なお兄さんが小さくなっており少し可愛く見えるが料理学校在学中の一同、互いに目線だけで会話をする。
(いや、苦手というレベルじゃないよな?コレ?)
「それで、当初の目的の明日のお弁当は?」
「あ、それなら出来ていて、そこのテーブルに、アレ?」
指が指し示す先には爆発に巻き込まれ見るも無惨なお弁当らしきものの残骸。
「ここの片付けは後にしよう。大倶利伽羅、ウチにある飯盒ありったけ庭に集めて、急いでご飯炊く準備。理美と今剣はお風呂入る前に非番の子集めて魚釣ってきて貰って。光忠はここでお米研いでて、鶴丸お説教は後にしてあげるからお客様を風呂場にご案内を」
