
第4章 ドキドキ!?宿泊研修。えっ!3年生だから参加しませんよ?
「それじゃあ、行ってくるぜ。俺がいないと本陣が地味になっちまうが、派手に稼いでくるから、楽しみにしてな!」
輝く青紫色の髪をたなびかせながら、ニッコリと人懐っこい笑みで微笑む少年はこの本丸の古参の一人で、加えていうと神菜の初鍛刀の刀剣でもあった。名を太鼓鐘貞宗という。先に登場した白菊の君こと、亀甲貞宗と刀派を同じくするいわば兄弟でもある。
「貞、本当にごめんね。修行に行かせるはずだったのに」
その為、何かと問題が起きた際、お目付役を頼むことが多い。
今回も半ば悲鳴に近い呼び出しを受けて、修行支度を整えていたのを中断して様子を見に来てくれたのだ。
「いーって、いーって。今回の作戦で資材、増やさないといけないんだろ?それに、練度上限の奴只でさえ少ないんだから俺に任せとけって」
「準備整いましたー。」
柔らかなのんびりとした声がして振り返ると生成色のふんわりと波打った髪をした優しげな面差しの少年が、問題児二人を縄で縛り上げた状態で連れてきてくれた。名を物吉貞宗。
誤解がない様に言っておくが彼にソッチの気はない。
必要に迫られやむ無しに技術を身につけただけに過ぎない。
具体的に言うと、彼は亀甲貞宗、にっかり青江、千子村正達とほぼ同時期に顕現し、彼らと縁あり、また、引率が出来る刀剣達が中々顕現してこなかった為だ。
とはいえ、柔和で優しげな容姿の人が笑顔で大柄な男二人縄で締め上げて引っ立ててる様子は色々と怖いのだが。
「物吉君もごめん。」「主様はお気になさらず、僕、お手伝いは慣れてるし、遠征、好きですから。幸運を運んできますので首を長くして待っていてください。」
向かってもらうのは二十四時間の奥州の地。
二人は練度も上限に達しており、本来ならば二人には修行に行って欲しかったのだが、ため息混じりに縄で縛られてる件の問題児二人を見る。
「フフフ、行って来まスヨ」「あぁ、ご主人様、僕の気持ちを知っていながら遠ざけるんだね」
方や怪しげな笑みを浮かべ、もう片方は恍惚とした顔で此方を見つめてる。
「資材はどうでも良いよ。無事に帰っておいで。いざとなったら、この二人置いて帰ってきていいから。」
「あゝ、その冷たい視線。ホント堪らない!」
「huhuhu」
「じ、じゃあ、俺達行ってくるわ」
本当、置き去りにして来てくれないかな。
