第1章 1
「あれ、まだ効いてないのかな」
なんの話しだろう。媚薬なら不本意なほど効いている。私は男の言葉に首を傾げるも、どうやってこの状況を打破するか考える。
けれど、手も足も動かない状態じゃ、何も出来ない。不本意だが、体が1度達した事で思考がクリアになったのか、ものを考える力は戻ってきた。動けなくても何か出来ることはあるかもしれない。
「あなた、どうして私が欲しいの。女に困りそうな顔はしてないけど」
私は男が次の行動に出る前に、話を繋げることにした。少しでも時間を稼いで体が動けるようになるのを待つしかない。
「一目惚れだよ」
私の質問に男は嬉しそうに答えた。
「君がこのビルでものを盗むのは初めてじゃないでしょ?」
そう、私はこのビルは1度入ったことがある。キッドと初めてあったあの夜に。
「あの時キッドに犯されかける君を監視カメラで見つけてね。綺麗だったよ。あれから一晩で調べて、君に手紙を出して。楽しかったね。でもやっぱり俺も人間なんだよね」
そう言った男は私を見た。その目は鋭く光っていて、私は目をそらすことが出来なかった。そんな私に男は笑って告げる。
「見てるだけじゃ我慢できなくなっちゃった」
私はその言葉を聞き、ようやく動くようになった体で男を蹴り飛ばした。
ベッドから降り、まだ重い体で出口へ向かう。出口の扉に着き、これで逃げられると安心しながら、取っ手を引っ張ると。
ガチャン
嘘でしょ…………
扉はあかなかった。高度なセキュリティがかかっている。今のぼんやりした頭では解けない。そして、この重たいからだではこの扉は壊せない。私は頭の中が真っ白になる。
「あーあ、ほんとにイケない子だねぇ」
背後から声が聞こえ、逃げようとすると、今度は背中に注射器を刺される。
「ぁ………くっ…………」
「さっきの薬より強力なやつだよ。不思議だったんだ、さっきのも、ついでに言えばこの間君に飲ませたやつも、1度イケばもう何も考えずに男を求める薬なのに。君は理性を保ったままで、なんなら通常ではありえない時間で回復して、動けるようになるんだもん。でも、この薬は桁違い、例えばね?」
男は私を抱き抱え、ベッドに向かいながら話す。そしてベッドに下ろすと私の腕をとって、ぎゅっと力を込めた。すると
「………んっ…!!!!」