第1章 1
次の日の夜
キッドの予告時間よりだいぶ早く来た私はやすやすと宝石を手にした。そしてケータイを開くと一通のメールが来ている。
『おめでとうございます、無事宝石を手に入れて下さって嬉しいです。第6会議室におこしください』
見られてる……?ってかなんでここ第6まで会議室があるのよ……でもとりあえず行くしかない
このビルの構図は全て頭に入っている。私は第6会議室に向かうため歩き出したが、すぐに歩みを止めた。出口には白い怪盗が私を待っているかのように壁に寄りかかっていたのだ。私は目の前の怪盗に向かい歩き出した。
「……予告時間までずいぶんあるけど?」
「せっかちなお嬢さんがいると思ってね」
「せっかちだなんて失礼ね」
「その宝石、頂けますか?」
「あいにく今日は必要なものなの」
私がそう言って宝石をしまうと怪盗はふっと笑う。
「その石ころじゃありませんよ」
「え?」
怪盗は私のほほに手をそえると私をじっと見つめた。
「この宝石です」
「……」
「いただけますか?」
その言葉に私は怪盗のほほに手を添える。そして
「ゆっ、ん」
戸惑う快斗にキスをした――
「…………っ…………ゆいっ、てめ……」
唇を離すと快斗はバタッとその場に座り込む。正確には寝てしまった。私は即効性の睡眠薬を口移しで飲ませたのだ。眠ってしまった快斗に目線を合わせ、顔を見る。
綺麗な顔……子供みたいに寝てる。
私は快斗の顔に手を添え、そっと顔を近づけた。
「大好きよ、快斗」
そしてキスをした。
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「第6会議室……」
こんな遠いんかい!
あれから、最上階まで上がり大きなフロアを一周してこの会議室を見つけた。やっと見つけた会議室に飛び込むようにドアを開ける。
「やぁ、随分派手な登場だね。そんなに俺に会いたかったの?」
中には黒髪の美少年がたっていた
というか
誰ですか……
てか
この部屋の豪華さなんですか!?ベッドあるし、ソファーあるしめっちゃ豪華だし!
まるでホテルのような会議室?に私はとても戸惑った。そんな私を見て男はクスッと笑う。
「やっぱり、いいね、君」
「……あなた、全く見覚えないんだけど」