第1章 1
私が固まっていると快斗はさらにニヤニヤする。
「……っ……」
おかしい……昨日から……私がおかしい……いつもならあんなの気にしないのに……すぐ流せるのに……
快斗から顔を逸らし、教室を出ようとすると誰かにぶつかってしまった。
「きゃっ」
「おっ、と、大丈夫?ゆい」
この声……
「探」
「無事でよかった、心配したんだ」
「ありがとう、探」
「今日の放課後空いてるかい?」
「ええ、特に何も無いけど」
夜は仕事があるけど、今日はキッドの獲物じゃなくて私自身のだし。時間を気にする必要もないから大丈夫ね
「この間のパーティのお詫びにディナーでもどうだい?」
「いいよ?どこでたべる?」
「僕が振舞おう、放課後僕の家でどうだい?」
「探の料理久しぶりね、楽しみにしてる」
「きっと期待に応えてみせるよ」
放課後の約束をすると探は自分の席に戻った。私も探と話して気持ちが落ち着いたので席に戻ると快斗が不機嫌そうに私を見ている。
「何よ?」
「白馬となんの話してたんだよ」
「放課後探の家に行くことになったの」
「なっ、おまっそれって……」
快斗がまだなにか言おうとした時、中森さんが快斗の席に来た。
「快斗〜、今週遊び行こうよ〜」
「あぁ?なんでだよ」
「いいじゃんたまには〜、映画とかさ〜」
「今それどころじゃねぇんだよ」
「じゃどこ行くかは今日快斗の家で決めるってことで!」
「え?あ、ちょっ、まて青子!」
中森さんは言うだけ言って席に戻ってしまう。私は2人のやり取りを黙って見ていた。
なんだろ……なんか……変な感じ
モヤモヤしたような気分になり首を傾げるも分からなかったので気にしないことにした。
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放課後、なんの問題もなく探の家で夕飯をご馳走になり私は仕事場に来ていた。私のいる大きなホールの真ん中に目的の宝石がある。
ジュエリーケースを目指し歩いていると、あることに気づく。
あれ……
ジュエリーケースが空だった。
まさか!?そんなはず……
私は慌てて宝石を探す。すると後ろからこえをかけられた。
「お嬢さん」