第1章 1
「ゆい?」
「とぼけるな、絶世の美女がいただろ!」
「……」
――こいつ恥ずかしげもなく言うんだな……
「その、ゆい?って美女がどーしたって?」
「行方知れずだ、会場にもどこにもいない」
その話を聞いた快斗は顔には出さないものの、驚いた。ゆいと別れたのは随分前だ。既に会場に戻っていなければおかしい。快斗はすぐさま出口へ向かう。
「おい、どこへいく」
「ちょっと野暮用ができてね、それよりその美女を探したらどうだい?」
「言われなくても……」
白馬が言葉を紡いだ時には既にキッドの姿はなかった。
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「俺は君を抱きたいかな」
「なっ……!」
「今すぐにでも」
そういった男の目は獲物を狙う肉食獣だった。男は立ち上がると私に近づく。
まずい……!
逃げるため足に力を入れると私は異変に気づく。
足が……動かない……
正確には足に全く力が入らなかった。驚いているあいだにも男はベッドの上に上がってきていて私を押し倒す。
「やっ……」
「体が動かないでしょ、よく効いてるみたいだね」
「何を……」
あっ……
私は化粧室へ行く前に飲んだドリンクを思い出した。
「そうだよ、あれは媚薬」
「なっ……!」
でもそれなら快斗に触れられた時のあの異様な敏感さが説明出来る。一人納得していると男は私のドレスをめくりあげた。そう、快斗のように。けれど……
ぞくっ……
「あっ、や……」
やだ…………気持ち悪い…………快斗に触れられた時とはまるでちがう……
「んっ……ぁ……」
やだ………!気持ち悪い……!
それでも生理現象と言うのだろうか、媚薬のせいかどうしようもない快感が私を襲う。
「あっ……んぁ……」
助けて……快斗……!
ぎゅっと目を閉じると男の手が下着にかかった。
「いや…………いやぁ…………かいとぉ…………」
涙が頬をつたい唇と噛むと男の手が止まった。恐る恐る目を開けると男は冷たい瞳で私を見ている。
「快斗、ね、さっき楽しんでいた男だよね?」
そう言いながら再び手が下着に触れた。
くちゅ
「…………ぁ…………」