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【ハイキュー】駒鳥が啼く頃、鐘は鳴る【木兎&赤葦】

第6章 冬霞








牛島家から光太郎と八重宛に新年会の招待状が届いたのは、それから数日後のことだった。

社交界でも名高い牛島家の催しに爵位を持つ光太郎が招待されるのは分かるが、妻でもない八重まで招かれているのは異例。
しかし、そこには紛れもない定子夫人の思惑があった。


“来ル一月二日 午十二時ニ 牛島邸ニ於テ催サルル大餐ニ招待ス”


その書簡を受け取り、最初に読んだ赤葦は、それを光太郎と八重に見せるべきか思いあぐねていた。

光太郎はもちろん、出席をするだろう。
だが、八重は・・・?

先日の稽古で結局、光太郎は若利に勝つことができなかった。
最初に負けた時のように癇癪を起こすことは無かったが、やはり八重に負け姿を繰り返し見せてしまったから、牛島邸に連れて行くことを渋るかもしれない。


「さて、どうするか」


赤葦は誰もいない部屋で一人、手紙を口元に寄せながら目を伏せた。

東棟の三階にある、中庭に面した角部屋は赤葦が唯一、誰にも干渉されず物思いにふけることができる場所。
だが同時に、この部屋は赤葦にとって“檻”そのものだった。


「貴方は私にどうして欲しいですか? ねぇ・・・“日美子様”」


自分の前にこの部屋に囚われていた人間の名を呟き、自嘲気味な笑みを浮かべる。

いつもこの部屋で人知れず泣いていた人。

囚われの駒鳥は、赤葦にこの檻を残して死んでいった。










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