第2章 砂漠の月71~150
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学校帰り、ショッピングモールで夕飯の買い物。目に飛び込んで来た物を取ってもうこんな時期かと呟く。
色とりどりの包みの山のうち、2・3個摘まんで買い物カゴに入れる
「市のお八つ~♪」
自分用にチョコを購入して、こう言う時期って良いよね。自分用に買うのもなかなかオツです。
今年は元就以外に、友チョコ何個いるかな。
元就にはチョコと何か1つプレゼントを用意したい。店内の雑誌置き場でバレンタインの雑誌を開く。
「ハート型のチョコケーキか…」
雑誌に掲載されてる物は生半可な腕じゃ作れない、ハートに薔薇が咲くもので
まあ、これくらいは作れるか、と雑誌もカゴに入れて清算をする
本命チョコなんて作った事がないなあ、元就が初めてで…顔が赤くなるのを手で扇いで誤魔化す。
「あら、市ちゃん彼氏でもできた?」
「ふふ、何だか恥ずかしくて」
「彼氏は羨ましいわね、こんな可愛い彼女の手作りが貰えるんだもの」
顔見知りのレジのおばさまに茶化されれば、手の空いてるレジのおばさまにも笑われて。
お客が少ない時間だから話せる内容だけれども。
「で?彼氏って誰?」
「ええ、と。あの毛利の元就さん」
「元就君!?羨ましいわあ、市ちゃんを捕まえるなんて憎いわね」
おばさま方が集まって!めっちゃ囲まれた!
店長さんも悔しがる顔をして「市ちゃんを貰いたかったなー」とか
皆は私のおかんかおとんか。
「市?何をしておる?」
「元就」
「元就坊ちゃんが市ちゃん貰ったんだって?」
おーばーさーまー!
恥ずかしいってば、あんまり茶化さないで下さい。
おばさまにぎゅうぎゅう抱き付いて真っ赤になってると皆に頭を撫でられて
「元就君、泣かせちゃだめよ?」
「おばさま方からの茶々で既に泣きそうだが?」
ぎゅーっと、元就に抱き締められれば、どこかから黄色い声が響く
元就に帰るぞ、と荷物を引っ張られれば、持ってくれて。
気にするなと頭を撫でられた。うう、優しいなぁ。
「カレーか」
「うん、今日来る?」
「行く」
空いた手で、手を繋いで。さあて、元就にバレないようにチョコ作りしないとね。