第2章 砂漠の月71~150
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冬休みが終わってすぐ、実力テストがある。
範囲は冬休みに出た課題の範疇であり、課題をしっかりとこなしていれば問題がない物だ。
月子は自分の席に着いて荷物を整理しながら課題の復習をしていた。
「毛利さん!」
「あ、あけましておめでとうございます」
「おめでとう! あのさ、良かったら課題のやつ教えてくれる? わかんないとこあって。今日これからテストでしょ?」
「良いですよ」
課題を眺めているとクラスでは好意的でよく話す女子に声を掛けられて了承すると、途端に二、三人の女子が私も! と集まってくる。
月子は晴久たちと行動を共にするようになってから、雰囲気が柔らかくなり話しかけやすくなったのだとその女子たちに言われた。
前から話しかければ会話に応じるし、内容によっては控えめながら笑顔も見せていたがどこかよそよそしかったのが、最近はなくなっていい感じだと言われ微笑むと何かに気付いた一人が声を潜める。
「ね、毛利さん……彼氏、出来たの?」
「え……?」
「あ、尼子先輩でしょ!」
「え? あ、あの……」
「きゃーっ! そうなんだ! 真っ赤になって可愛い!」
「やっ、あのっ! な、なんでっ」
唐突に聞かれた内容に理解が追いつけず、きょとんとしていると他の二人も会話に参戦してきて月子は真っ赤になる。
真っ赤な顔でオロオロとし始める月子に、女子三人は悪気なくはしゃぎ、良かったねと言う。
少し前まではこんな恋話をするクラスメイトも居らず、月子は恥ずかしくも嬉しくてはにかんで小さく頷いた。
特に深く追求されるわけでもなく、雰囲気が休み前からまた変わったからと言われたがわからず首を傾げる。
恋話の合間に課題の解説をして、ホームルームに担任がやってくるまで女子との会話は続いた。
そしてテストが始まり、月子はなんの憂いもなく問題を解いていく。
「終わったー!」
テストが終わり誰かが叫んだのを皮切りにがやがやと賑やかになる教室で、今日はテストだけで終わりなので月子は帰り支度をする。
支度が終わる頃、晴久が教室に顔を出した。
「月子、支度出来たか?」
「うん!」