第2章 砂漠の月71~150
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冬休みが終わって、各々が学校に登校する日に戻った。
同級生どもは同じクラスのあの人にまた会えると心踊らせる。俺もまたその一人だけど。
下駄箱の前で己の上履きを履いていれば、何だかほのかに甘い匂いがして顔を上げたら。
後輩の毛利さんと市さんがいつの間にか横で談笑していて固まる
最近俺達、男子の間で何かと話題の2人だ。
俺の視線に気づいたのか市さんがこちらを見て、にっこり微笑んで会釈をしたので俺も慌てて頭を下げた。
そして逃げる様に教室へ入った。毛利か尼子、武将組がこの状況見たら俺が殺される。
っていうか一緒に登校してたら見てるよな見られたよな。あ、俺詰んだ。
「如何した」
「え、うん。何か逃げる様に行っちゃったから…市、何かしたかなあ」
「気にするでない、たまたまよ」
「たまたま、よね」
同級生の生徒に逃げられて、しょんぼりとする市を抱きしめ。
満足そうに笑う兄に、月子はびくりと肩を竦めて。苦笑いを浮かべた。
最近、織田市さんや毛利の月子さん、綺麗になったよね
こそこそと囁かれる言葉に月子は顔を赤らめて、自分が?まさか。
「んじゃ、昼にな」
「はい、晴久さんも、あとでね」
教室がシンと静まる、月子は少しだけ居心地悪さを感じながら笑う友人達の元へ歩く。
「で?何だこの視線」
「さあ、市は気付いて居らなんだが」
元就は晴久の質問に溜め息を吐いて、隣に座る市の頭を撫でた。
市は分かってないのか「?」と首を傾げて。周囲の苦笑いには気付く。
「3学期は何しようか?」
「まずテストだろ?」
「皆で旅行!」
「スキーか?」
皆でわいわいとスキーに行く計画を立てて、月子ちゃん滑れるのかな?
LINEで聞いて確認しつつワイワイと騒ぐ
「あ、月子ちゃん少しだけ滑れるって」
「我はボードをしてみようか…」
「市はどうしよう、かすがは?」
「私もどうするかな」
スキーとスノボ以外にもあるよね、ミニスキーっぽいの
「スキー板見にいきたいな」
「成らば近々買いにゆくぞ」
「わーい」
武将組の楽しそうな話題は、黒羽教諭にツッコミ入れられるまで続いた。