第2章 砂漠の月71~150
耳元で囁かれ、顔を真っ赤にしながらもきゅっと繋いだ手に力を入れて抗議をするが晴久は楽し気に笑うだけだ。
月子が見つけた隠れ家の様な喫茶店に入り、互いに違うケーキを頼み飲み物を頼む。中ではハンドメイドの小物なども売っているようで、注文したケーキを半分こして堪能した後は品物を眺めて気に入ったものを買う。
晴久は月子に髪留めを買い、月子は晴久にキーケースを買って交換すると、さっそく身につけて笑い合う。
会計を済ませて外に出るとおやつ時を過ぎたころでゆっくりと帰宅すると丁度夕飯時だった。
晴久は月子を毛利の家に送り届けると、周囲を見渡して身をかがめる。
「晴久さん?」
「ん、おやすみ。またな」
晴久の行動に首を傾げて顔を上げた月子の唇に軽く口づけると、月子が声を上げる前に踵を返して帰っていった。
月子はしばし固まっていたが、紅い顔で家の玄関をくぐると家族にただいまと声を掛けながら中に入っていった。