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砂漠の月

第2章 砂漠の月71~150


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月子はふわふわとした心地の中で、ゆっくりと意識が浮上していくのを感じていた。
誰かに柔らかく抱きしめられて優しく撫でられている気がして、うっすらと目を開けると目の前に広がったのは見慣れない肌色でそれがゆったりと上下している様だった。

「ぅ……?」
「おはよう、月子」
「……んー」
「まだ寝るのか?」

クスクスと柔らかく笑われて、月子は目の前のあたたかなモノにすり寄ったところで漸くはっきりと目が覚める。チラリと視線を上げれば、声と同様の柔らかな笑みを浮かべた晴久が月子の髪を撫でている。
ん? と顔を覗き込まれて頬が熱くなるのを隠したくて抱き付くと、素肌が触れ合って昨夜何があったのかを思い出してしまい熱は上がる一方になる。
うぅっと唸り声を上げると背に回った手がゆっくりと、月子を落ち着ける様に撫でてくる。

「おはよう、ございます……」
「ん、おはよう。身体、つらくないか?」
「ちょっとだけ怠いけど、だいじょぶ」
「そっか……」

暫くして、なんとか落ち着いた月子がそろりと顔を上げると、変わらず微笑んだままの晴久が僅かに心配そうな表情で問いかけてくる。
恥ずかしくて視線が彷徨わせながらも月子が素直に答えるとホッとしたような声が返り、抱きしめる腕が強まって月子の頭頂に頬を摺り寄せられる。
ちゅっと額に口付けされて、上目遣いに月子が見上げると視線が絡み、瞼、鼻と唇が落ちてきて、最後にゆっくりと唇が重ねられる。
何度か柔らかく触れ合った後離れると、互いに照れたように微笑み合う。

「起きるか」
「晴久さん、先に起きて?」
「ん? あー……わかった。ちょっと待ってろよ」
「うん……」

起きるかと言われて頷いた月子ははたと自分の姿を思い出して、恥ずかしそうにシーツを抱きこんで晴久に言えば一瞬首を傾げたもののすぐに気付いて頷く。
きゅっと目を閉じて頬と言わず首筋まで紅色に染まっている月子に苦笑しながら、晴久が床に散らばった服を身につけると月子の服も拾って枕元へ置く。
背を向けている月子の頭をくしゃりと撫でると、扉の外で待っていると声を掛けて晴久は外へ出ていった。
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