第2章 砂漠の月71~150
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その日の朝は、何だか怠くて腰が重い感じで。薄らと目を開けてみると
…馴染みがあるんだけど自分の部屋じゃない。
昨日寝る前に…寝る前に??私ってば服着てない?何で。
すっと、背後から手が伸びて来て。私を抱きしめる手がの主は元就で??
ああ、そう言えば私…恥ずかしい、すっごい恥ずかしい穴に埋まりたいけど布団に潜るううう
「斯様に潜っても事実は変わらぬ故、今日は昼まで動けぬだろう」
「ううう、はい」
言われた通りに腰とかあちこち痛くてですね。ぎゅうぎゅうと裸の元就に抱き締められたまま昼になり。
支えられて1階のリビングに降りたら元就のお母様が満面の笑みで。え、それ興元さまが作ったの?
何故か赤飯を出されてもーれつに恥ずかしかった。
「はい、市姫」
「あ、ありがとうございます」
新年の挨拶を済ませれば、笑顔の弘元さまに頭を撫でられ
ポチ袋を渡されて内心焦る。精神年齢がもうババアなんで毎年貰うのが気恥ずかしい
元就と共に自宅に帰れば、兄さまに頭を撫でられた。
「毛利の小僧め」
「早う子離れ、妹離れをせよ。信長公」
織田の家族からもお年玉貰ってしまって。はてさて、半分貯金して残りで洋服でも買おうかな。
「元就、月子ちゃんは晴久の家?」
「左様、市と同じ反応を見せておるだろうな」
「月子ちゃん…南無」
私も軽くテンパったんだもの、月子ちゃん大丈夫かな。
…うん、今日は街の洋服店と呉服店の福袋を買いに言って来よう。
ついでに元就の見立てで洋服コーディネートして貰って。
何気に今日は行きたいところが多いかも。
「我の見立てとな?」
「うん、偶には元就の好きな格好にしたいなって」
一瞬、ほんの少しだったけど
此方をきょとんとした顔で見て。顔を背けて。
口が嬉しそうに弧を描いてて驚いた。珍しい顔してるなって。
直ぐに元の、無表情に戻ってしまったけども
「行く店は決まっておるのか?」
「元就が選んでくれるならどこへでも」
「…全く、其方は」
敵わぬなと、ぎゅうっと身体を強く抱きしめられた。
え、っと。勝利ー?