第2章 砂漠の月71~150
何度も降りてくる唇に、先に音を上げたのは月子できゅっと握っていた服を引っ張り伝えれば、頬に最後に振れて離れていく熱にゆっくりと瞼を持ち上げる。
緊張と羞恥に強張っていた身体からはすっかりと力が抜けて、それでも泣きそうに潤んだ瞳が羞恥を伝えてくる。
一度身体を起こした晴久が月子を抱き上げ、ベッドにきちんと寝せるとその横に潜りこむ。
「晴久さん?」
少しだけ掠れた声で問うように名前を呼んだ月子は、隣に寝転んで向き合う晴久を見る。
晴久は柔らかく笑むと月子を抱き寄せて腕枕をすると頭部に頬を擦り寄せる。
くすぐったさに首を竦めた月子の額に唇が寄せられ、ほんの僅かに触れるとあくびをする音が漏れた。
「今日は昼寝。おやつ時に目が覚めたら、あのカフェに行ってたくさん話そう」
「うん……」
「飯、作ってくれ。出来たら夜もこうして寝てぇけど、流石に元就が煩いか」
「そう、かも……?」
「あれは兄貴って言うより親父だよなぁ……」
プッと吹き出し、腕の中でクスクスと笑い出す月子の柔らかな声に幸せそうな表情をした晴久が月子の左手を取って薬指に指を這わす。
学校以外ではほぼ必ず着けてくれている指輪の感触に、フフッと嬉しそうに吐息で笑うと月子の方から指を絡めて手を繋がれる。
既に閉じていた目を開け、月子を見ればこちらも嬉しそうにはにかんでいる。
「寝るか……」
「うん、おやすみなさい」
指を絡めたまま数秒見合ってポツリと晴久が言えば、今度は疑問も何もなく素直に頷いた月子がゆっくりと目を閉じた。
晴久も同時に目を閉じながら、起きた後に想いを馳せた。