第2章 砂漠の月71~150
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クリスマス、今回は別々にデートに行くぞと張り切って2人で街に出た。
どこもかしこもカップルばかりで、いつも眺めるだけだったけど、今年から俺達もこの枠に当てはまるのかと苦笑い
「人がたくさん居ますね」
「今日ばかりはなぁ」
クリスマスディナーの予約はしてあるし、月子へのプレゼントも受け取った
昼に軽く食事を済ませ、街中を歩いてると「あっ」と月子は言葉を零す
「晴久さん、あの店見てもいいですか?」
「ああ」
小さな可愛らしい、レースがあしなわれた桃色のバッグを持って小さく唸っている
その様子にフッと笑って周囲を見渡す。あ、このレースのブラウス月子に似合いそうだ。
視界の端で月子がバッグをレジに持って行くのに気付き、ブラウスを持って
「月子ストップ」
「え、」
くすくすと笑いながら、固まった月子が持つバッグを取り上げ。持って来たブラウスと共に店員に渡す
「悪い、これとこれを頼む」
「は、はい」
己の金で清算するとやっと月子が反応を示した
「え、晴久さん?私が払います!」
「気にすんな、男の面子も立たせてくれ」
な、と。そう言われると月子も押し黙って「ずるいです」と頬を膨らませる。
映画、イルミネーションを回り嬉しそうな月子の笑顔にホッと胸を撫で下ろした。
「お夕飯どうしましょうか?」
「良いとこ予約してるから、そこで食おうぜ」
月子の手を取って笑顔を向ければ、恥ずかしそうにはにかむ
「どうしました?」
「い~や、何でもない」
嬉しすぎて顔が引きつってるとか俺なっさけねえ。
そろそろ飯にしても良いか?時計を見るともうすぐ予約の時間。
何だか、いつもは市の家に転がり込んでご馳走食ってたのに、変な気分で。
高そうなお店。月子の呟きが、何だか全部嬉しいんだ。
「美味しいです!」
「そりゃ良かった」
高級、洋食フルコースに舌鼓を打ち。
遠慮がちだけど食事を口に運ぶ月子の様子を見ながら
そういえば、と話を切り出した
「?」
「月子、左手を前に出して」
「こうですか?」
「そう、少し目を瞑って」
「は、はい」