第103章 伝説(でんせつ)
恵土「余裕を無くせば視野が狭まり相手を見失い変化を認識できなくなる
そうなれば即落とされるからな、相手の戦略に嵌まる
だから余裕を持って落ち着いて対処しましょう
そこが第一前提
次に第二前提となるのが…
優先順位的には無駄の無さかな?
動きに無駄がある、何度も何度も繰り返す
そうなると動きは単調になるし、読まれやすくなる
必ず落とされるからな
更に次に第三が相手の流れに乗らない
どうしても自分の土俵に引き込もうとする
それに乗らず距離を置いて戦い、釣ってこちらへ引き込む
相手の土俵だと思い込ませ、誤認させて貫く
っつう戦略かな?
第四が波に飲まれるな
波っつうのは、その時々の有効打で、移ろい変わりゆくものだ
流れの先を見て、相手の起こす波を斬れ
相手諸共」
加古「3と4ってどう違うの?」
恵土「ん?
簡潔に言うと…
3は渦潮で自らに引き込もうとするブラックホールみたいなもん
4は相手の体勢を崩そう、戦型をこちらに有利なように変形させようとする、自分で起こす荒波って感じかな?」
風間「なるほどな」
恵土「渦潮と津波、理解オーケー?」
加古「なるほど
わかりやすいわ」
恵土「第五は…
それぞれの局面を認識する力かな?
戦場全体、同時に」
加古「なんでそこが最後なの?」
恵土「ん?
そりゃ認識する情報が多いとそれに振り回されるだろ?
肝心なのは振り回されず自分の動きをすること
そしてその動きをどうその局面ごとに最適なものへ落とし込むかって話になる
でも流れを知っては置かないと、波がこちらに辿り着いた時に適切な対処ができない
だから認識だけはして即動けるように努めましょうってことだ
それにとらわれて動きや目を狭めればそれこそ相手の思う壺でやられやすくなるからな
まずは一から順に身に付けてからだと思う」
加古「改めて見ると凄い理念ね」
恵土「ありがと
整理すると…
1、余裕を持って落ち着いて対処せよ、動じるな
2、無駄を無くし繰り返すな
3、相手の流れに乗るな
4、相手の波に飲まれるな
5、戦場全体の局面を同時に認識し即動けるように努めよ、振り回されるな
以上」
『おおおおおおおおおおお』
ぱちぱちばちぱちぱち
全体が拍手喝采に包まれていた
黒江「六番目はありませんか?」
後ろの席から、恵土の頭を両手で掴んで引き寄せて覗き込みながら尋ねてきた
