第96章 神年(しんねん)
主犯格の癌を強制身投げさせる前
ケイト「罪を無いものとして扱えという想い
悪いことをしていないという想い
それは誰の中にもある
もし、それを人に強いることが罪にならないのであれば
誰もが罪に問われないだろう
死んだ命は蘇らない
破壊されたものは戻らない
何をしても罪は消えない
無かったことにはならない!
喪(失)った人達は亡骸を抱いて泣くしか無い!!
罪を問い罰する司法機関があるのは…
犯罪者を罪の意識や罪悪感から救済する為のものじゃない
一方的に痛い思いをさせられた側を、被害者を救済する為のものなんだ!
罰を受けることで贖罪した気でいても、その大事な人達は二度と帰ってこないんだ!!
だが…
環境や人や状況のせいで、必要に迫られて犯すこともある
それでも背負うんだ
繰り返したくないから
涙なんて見たくないから!
こんなこと二度とあって堪るかって!!
みんな戦っている(ぎゅっ!)←拳を握り締める
誰かに痛い思いをさせたくないと願える優しい人は!
だから尊いんだ
生きることは!!
お前はその戦いから逃げたんだ
生きることからも!罪の意識からも!
お前は臆病者だ
犯した罪からも、それで痛い思いをする人々の心からも逃げた!!
誰でも逃げる時はあるよ
逃げたい時だってある!
それでもみんな、頑張って戦って!生きているんだ!!
お前がしたのは
被害者の心なんて、こちらのつもり以上に大事なんかじゃないと示し続けているだけだ!!
優先する価値なんか無いと、断じたのは、行動に起こしたのは…お前自身だ!!
それを悪じゃない、優しさなんだ、善なんだ、なんて…
強いられる側の気持ちもわかんねえのか!!!?」涙目、頭を振る
涙が零れ落ちてゆくそれに
主犯格の癌は泣きながら
そんなつもりはない!誤解だ!と口々に叫び掛けた
ケイト「お前はそうやって!
傷付けた相手に、つもりが無いで流せと求めて!
更にまた傷付けてんだろうが!!
なのにそれを無罪にする手助けをしろだなんて…←震え
言うに事欠いてそれかよ!
ふざけんな!!←怒号、憤怒の表情
語るに落ちたな」
ふいっ
諦め、静観した表情へ変わり、背を向けた
それに何をするでもなく言葉を失い
強制的に連れられて去っていった
悪を悪と思わせない
それが——全ての堕落の源となる
