第74章 融和
不意に…上から覆い被さられる感覚に襲われた
確か…ケイトを領主邸にある領主室のベッドへ運んだ
それは当初の呼び名で、今は王宮の王室とされている…
布団のすぐ横にある木製の椅子に腰かけて見守っていた
はずだったんだが…
どうにも眠気や全ての力を出し切った反動や疲れで限界が来て…
そのまま耐え切れず、ふらついた体に鞭打って同じ布団に辛うじて潜り込み
ケイトのすぐ横で、寄り添うように眠りについた
その中で、頭を不意に撫でられた
そして…そのまま、今にも泣き出しそうな顔で、小さな、弱々しく震えた声と一緒に、上に覆い被され、抱き締められていた…
心は泣いているのに…大雨が降っているのに…涙が出ないことを嘆くように、呟いていた…
神の力のお陰で、霊視もあって、当時に掛けられた言葉も、想いも、ちゃんと聞き取れた…
フィン「…ああ
いるよ?」
ケイト「!」ばっ!←体を離し、見やる
フィン「ずっとね?」微笑
ケイト「…」
フィン「ふふっ^^」
なでなで
そのまま頭を撫で返してやると…涙が溢れてきた
ケイト「ぶわっ)
うん…
うん…(瞑目微笑)
(この涙はなんなのだろう
わからない
でも――
大事にしたい――
そんな気持ちを抱かせるものだった
少しでも、応えられるようになりたい――っっ)
大事にするよっ」
僕を抱き締め、顔を間近に寄せる彼女に
ひっく
すすり泣く彼女の頬を撫で
ちゅっ、ちゅ
キスを落とした
左頬、唇の順に
ケイト「!」瞠目
フィン「^^」
ケイト「…っ」
ぎゅう
ちゅう
涙を浮かべながら、流しながら、僕を抱き締め、唇を奪った
そのまま僕の胸に顔を埋め、咽び泣き出した…
震えたまま……
今度は嘆く念でもなく、逆のもの…
昔では決して許されなかった『感情の発露』を叶えられたことへの底知れない嬉しさ、
自然と泣けた安堵まで感じさせられた…
そのまま泣き震える彼女の肩を、そっと抱いた
正面から、壊れないように、
そのまま、とんっ、とんっと、背をあやすように、優しく叩く
フィン「前を向いていこう――?」
小さく、呟いた
ケイト「うん――っ」
お互い、守れなかったものがある
けれど、それでも
向こう、と言い聞かせるように言った
彼女はその目に涙を滲ませながらに頷いた