第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(……まったく。ガキの時から甘え方のしらねぇ損な生き方してると思っていたが、大人になって更に難しい生き方してんな)
コラソンは苦笑した。
子供の頃に比べて増えた眉間の皺が、彼の人生を物語っているのだろう。
まぁでも…
コラソンはローの腕の中で眠るユーリを見て、優しく笑った。
(漸くおまえも、人並みに幸せを見つけたみたいだな。おれも休むが、おまえも残りの人生ゆっくり休めよ。……あと、彼女にあんま怪我させるなよ。女の子なんだから)
「……言われなくても分かっている」
ローはユーリを抱く腕に力を込めた。
ローとてユーリが怪我をするのは本意ではない。
しかし少しでも油断したら当たり前のように怪我をしてるので、ローはいつも頭を抱えていた。
しかも怪我を負う状況がほぼ100%、ロー絡みのもなので、なんとも複雑な気持ちになる。
今後はユーリが少しでも変な動きをしたら、容赦なくROOMを発動すべきかと思い始めるくらいだ。
「こいつが傷つかねェように、これからはおれが見ているつもりだ」
見守るのか見張るのかは分からないが、ローはユーリの傍にいるつもりだった。
そしてローはユーリに視線を送ると、傷が癒されてることに気づいた。
コラソンに話を聞くと治してくれたようで、本当に彼には頭があがらない。
その後2人でいくつか言葉を交わすと、別れを惜しむように、コラソンは天に還っていった。