第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「……終わったよコラさん。13年も時間掛かって悪かったが」
ローは鳥かごが消えていく様子を、静かに見守っていた。
そしてドフラミンゴの心臓を無造作に放り投げた。
気を失ってるドフラミンゴの上に着地したそれは、恐らく海軍が回収するだろう。
ローは能力を解除し身を翻すと、ユーリの元へ急ごうとした。
「…ッ!……コラさん」
ローが振り返ると、そこにはユーリを抱えているコラソンの姿があった。
驚いているローにコラソンは笑顔を向けると、抱えていたユーリをローに渡した。
(彼女なら大丈夫だよ。……色々と迷惑を掛けたな)
ユーリを受け取ったローは、コラサンの言葉にゆっくりと首を振った。
「おれは……コラさんがいなければきっと生きていなかった。あんたには、返しきれねェほどの恩がある」
コラソンは自分の死によって、自由になるどころか逆に縛り付けることになったのではないかと、ずっと後悔していた。
しかしローから伝えられる言葉は、コラソンを責めるものはなく、どれも感謝を表すものばかりだった。
「これくらいなんでもないさ。だから、もう…ゆっくり休んでくれ」
ローは笑った。
その笑いは子供の頃に見たものに比べれば、だいぶぎこちないものだった。