第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ローから音が消えると、ドフラミンゴは一気に不利な状況に陥った。
身体中に負わされた傷は数知れず、最早立ってるのがやっとだった。
「……音が聞こえねぇ、あいつを思い出すようで胸糞悪い」
ドフラミンゴはコラソンが死んだ後、ナギナギの能力者だったと知った。
ヴェルゴが海軍の情報からコラソンのデータを盗み、伝えたのだ。
「おまえも、あいつも、おれの邪魔をしやがって、どういうつもりだ!?」
ドフラミンゴはなりふり構わず攻撃を繰り出した。
音が聞こえないに加え、ROOM内を自由に移動できるローを狙って攻撃するのは、最早不可能だった。
辺り一面におびただしい糸が舞っていく。
ドフラミンゴは滴り落ちる嫌な汗を拭うこともできず、ただただ攻撃を繰り出すことしかできなかった。
「……おれは違うが、少なくともコラさんは、家族であるおまえを思って止めようとしていた」
「…っ!?」
音もなく静かにドフラミンゴの身体を、刀が貫いた。
「コラさんを殺した罪、一国を弄んだ罪………その身を持って償え」
刀を引き抜くと、ローの手には心臓が握られている。
立ってるのもやっとだったドフラミンゴは………静かに倒れていった。