第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(…ユーリちゃん、でいいかな?女の子がこんな傷だらけになるなんて……巻き込んでしまって悪かった)
(いえいえ、私が勝手に巻き込まれて自滅してるだけですよ。それよりも、来て頂いてありがとうございました。本当に死人を呼べるとは思ってなかったので正直驚いています)
(まぁおれも来てよかったか分からなかったから、どうしようかと歪辺りをウロウロしてて、うっかり落ちてしまったんだけど)
(…なんか飛んでくるというより、落ちてくるような気がしてたが、本当に落ちてきてたとは)
(…それにしても、ユーリちゃんはどうしてそこまでローを守ってくれるんだい?)
(……うーん、彼が辛い目にあうのは見たくないんです。何故かと聞かれても返答に困りますが…)
(そうか。ローも幸せ者だな)
(そんな大げさな!ただの背後霊ですよ)
(そんなことないさ。…でも、ユーリちゃん自身の幸せも考えないとだめだよ)
少し前に言われた、妖精と同じ言葉。
ユーリは曖昧に笑って誤魔化し、ローの様子を聞いた。
もうそろそろ決着がつくはずだ。
コラソンが来た瞬間、ローはもう大丈夫だと思った。
それだけ二人の絆は強いと信じていたから。
そんなユーリの様子にコラソンもまた苦笑し、きっともうすぐ終わると教えてくれた。
(じゃぁ、おれはそろそろ行くよ。あんな感じだが、ローをよろしく頼む)
(分かりました。どうか安らかに……本当にありがとうございました)
(こちらこそ、本当に感謝してるよ。ありがとう)
笑顔で消えていくコラソンを見送ると、ユーリは意識をゆっくりと浮上させていった。