第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
占いの館を後にした2人は軽くイルミネーションを見て、後は街のホテルでゆっくりすることになった。
なぜ軽くしか見なかったと言うと、ユーリがイルミネーションをみて『わぁ、綺麗だねー……」で終わったからである。
仕舞には近くの屋台の列に並び始めたもんだから、取り合えず好きなもの買ってやってその場を後にした。
ローも別にイルミネーションに興味があったわけではないのでどうでもよかったのだが、相変わらずなユーリに苦笑するしかなかった。
「おぉ、広い……夜景もすごい…」
二人が泊まるのは街で一番大きなホテルだ。
島で一番有名なそのホテルは勿論部屋も豪華だった。
最上階に位置する部屋は当然夜景も綺麗に見え、ユーリは暫く窓に張り付いて外を見ていた。
しかしすぐに飽きたのか、ローが座っているソファーの隣に座り寛ぎ始めた。
「おい、何時までコート着てるんだ」
ローは最初気づかなかったが何か違和感を感じると思いユーリに視線を送った。
そしたらコートのままソファーに座り、備え付けのお酒とお菓子を食べているユーリが目に入った。
「ちょ、引っ張るな!お菓子が落ちる!」
「置けばいいだろ」
「お菓子を手放すくらいならコートは脱が…おい、待て」
ユーリが止める前にバサリと剥ぎ取るように持っていかれたコート。まさに力業である。
「あぁぁ!?なんてことだ、私の意思も言葉も抵抗もガン無視するその素晴らしさ。取り合えずそのコートを返せ」
ユーリはコートに掴みかかるがローの手によって抑えられ、コートは手の届かない場所に置かれた。
「…へぇ」
ローから痛いほどの視線を感じたユーリは咄嗟に立ち上がって離れようとしたが無駄だった。
肩を掴まれたかと思うとそのままソファーに押し倒された。