第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「え?私って気づいてるの?」
街に出て漸く我に返ったのか、ユーリが今更そんなことを聞いてきた。
「気づかれないと思ってるその思考回路はどうなってんだ。おれを何だと思っている」
仮にも恋人同士でそれはないだろう。
確かに見間違えるほど可愛くなっているが、別に見間違えるわけではない。
ローは眉間にシワを寄せると、ユーリを引き寄せ周囲に視線を送った。
急に腰に手を回されたユーリは動揺していたが、ローはスルーし足を進めた。
ユーリを見ている男が何時もの倍以上になっているので、ローはこれはこれでどうしたものかと考えていたのだ。
それはローにも言えることなのだが、ユーリにべったりくっついてるのでもう誰も声を掛けてこなかった。
(あぁぁぁ!何か今更だけどこれってデートなのか!?どうしよう私は何を話せばいい?何をすればいい?寧ろどこに行けばいい?誰か教えてくれー!)
ユーリはやっと自覚してきたのか恥ずかしさでギクシャクしていた。
「おい、そのロボットみたいな動きを止めろ」
ユーリが両手と両足を一緒に出しながら、更にガチガチと動いていたのでローは思わず止めさせた。
本当は少し笑いそうになったのだが、今はユーリを落ち着かせるのが先だ。
何を今更恥ずかしがっているのか聞きたいが、どうせたいした理由ではないのだろう。
「イヤチョット、ドウシタライイノカワカリマセン」
ユーリはまだソワソワしていた。
「どこか行きたい場所はあるのか?」
ローも特に考えてなかったので一応聞いてみた。
なければないで、適当にブラブラしてればそのうち落ち着くだろうと思っていたのだ。
「あ、じゃぁ…」
しかし、以外にもユーリは行きたい場所があったようだ。