第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
ローは当然だがユーリが扉の前に来ていたことに気づいていた。
そして前回と同じくウロウロしてる気配にそっとため息を吐くと扉を開けたのだ。
何時もはノックもせずに入ってくるくせに、偶にこういうことがあるからよく分からない。
「……」
案の定この世の終わりみたいな表情をするユーリだが、今回はローの表情も少し驚いていた。
朝からアマネとシズに連行されていたみたいだが、なるほどこういうことだったのか。
すっかり身なりを整えられているユーリを見て、偶には役に立つじゃねぇかと内心思っていた。
「…ちょっと待ってろ」
本当は夜くらいから軽く出掛けるかと思っていたのだが、ここまでお膳立てされたら見過ごすわけにもいかない。
クリスマスというイベントには興味がなかったが、偶にはユーリとゆっくり街に出掛けるのも悪くないと思ったのだ。
普段から残念な恰好しかしないユーリなので、一緒に出掛けても中々恋人同士に見られない。
ユーリの服装に不満がないわけではないが、それが彼女だから別にいいと思っていた。
しかし残念に思っていたのも事実だ。
だから今回のチャンスをありがたく使わせて貰うため、予定を早めて昼から出かけることにしたのだ。
「ほら、行くぞ」
ローも出掛ける準備が終わると、未だにこの世の終わりのような表情をしているユーリの手を引き街へ向かったのだった。