第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「はぁー癒される」
ユーリは目の前に迫りくるモフモフと戯れていた。
モフモフ、もとい犬に抱きつき癒しを取っていたのだ。
そんなユーリの様子を少し離れた場所に座って、ローは見ていた。
目の前の看板には大きな文字でモフモフランドと書いてある。
丸く囲ってある柵の中にはいろいろな動物が自由に動き回っていた。
その動物たちと一緒に戯れているユーリを見るローの心境は、まるで娘を見守る父親のようだ。
別に動物が嫌いなわけではないが、一緒にあの中に入ろうとは思わない。
(犬が2匹…)
ローは白い大型犬と戯れる同じく白髪のユーリをみて、思わずそう思ってしまった。
なんだろう、阿保だけど意外と空気を呼んで、でもやっぱり阿保なところとか似てそうだ。
ローはふと笑った。
ユーリが動物好きとは知らなかったので、ローは彼女の好きにさせていた。
これで何時もの調子に戻ってくれればいいし、ユーリが楽しいならそれでよかった。
「ありがとうございます!やっぱりモフモフは正義ですね!」
そういって戻ってきたユーリは、予想通り何時もの感じになっていた。
「もう少しゆっくり見てきたらどうだ?早すぎだろ」
ローは乱れている髪を直してやると、相変わらず微妙なところで遠慮する彼女を咎めた。
しかしユーリはもう満足したようで、次は腹が減ったと言ってきた。
確かに時間的に昼過ぎで、まだ何も食べていなかったのだが。
これはユーリが気を遣って言っているのか、それとも本心なのか分からないが、考えても仕方ないので諦めた。