第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
そして遂に色々耐えれなくなったのか、白状し始めた。
なんでもこの料理は自分で作ったのだが、料理は元々得意じゃないし、更には人に食べてもらったこともないので非常に気まずいとのことだ。
「…へぇ」
ローは特に気にした様子はなく、食べる手を止めなかった。
「いや、だからこの場を離れてもいいでしょうか?」
「別に不味いと言ってねぇだろ。いいからここにいろ」
「だからその微妙なリアクションはなんですかー!もう駄目だ逃げたい。いや逃げてやる」
「…騒いでねぇでおまえも食ったらどうだ?流石にこの量の甘いものは無理だ」
そう言ってケーキの皿をユーリの前に置いた。
ユーリはまだ何か言いたそうだったが、寧ろ今すぐ自分が食べつくせば被害が減るんじゃね?と思ったのか黙々と食べ始めた。
因みにローは言ってないが、ユーリの作った料理は普通に旨かった
味見くらいしたはずなのに何故そこまで自信がないのか疑問に思うくらいだ。
「おい、食べろとは言ったが全部とは言ってないぞ」
ローは早々になくなりつつあるケーキを皿ごと回収した。
「あぁ!?てか早!?もうそっち食べ終わったの!?」
ユーリは奪われた皿を取り返そうとしたが、何時の間にか空になっていたもう一つの皿をみて驚いた。
そして驚き固まってるユーリに気にすることなく、ローは久しぶりに甘いものを口に入れた。
「……やっぱ甘ぇな」
ローは2、3口食べると再びユーリに皿を戻した。
そして呆然としながら皿を受け取るユーリ。
「……そんな無理しなくても」
ユーリは若干顔を引きつらせていた。
「無理じゃねぇ。……旨かった」
ユーリが再びケーキを食べ始めてきたとき、小さく聞こえてきたその言葉に思わずローを凝視してしまった。
その表情は相変らず眉間にシワが寄っているが、嘘をついているようにも見えなかった。