第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「じゃ、そういうことで!」
そしてローが落ち着きを取り戻した頃、なんとユーリはやることやってその場を立ち去ろうとした。
「おい待て」
思わずローはユーリの腕を掴みその場に引き留めた。
まさか1人でこの量を食えと言うのだろうか。いや、食べようと思えば食べれるがそもそも祝い逃げとはどういうことだ。
ローも別に誕生日事情に詳しいわけではないのだが、何か違う感が半端なかった。
「あー…うん…えーっと」
なんとも歯切れが悪く、更には落ち着きなく視線を彷徨わせるユーリ。
そんなユーリを暫く見ていたローだが、一向に話そうとしないのでだんだん飽きてきた。
そしてちょうど腹も減っていたので取り合えずユーリは放置して、目の前の料理に手を付けようとした。
「あ!?」
なんともこの世の終わりかのような声が聞こえた。
ローはなんなんだと思いながら目の前の料理を食べていった。
一瞬毒でも入っているかと思ったが、流石のユーリもそんなものを持ってこないだろう。
「……大丈夫?生きてる?」
流石のユーリもそんなものをと思ってた矢先、不穏な言葉が聞こえてきた。
「まさか毒でも入れたのか?」
取り合えず味に違和感はないし死ぬ様子もない。
ローは首を傾げた。
「えぇ!?そんなに不味い!?」
そして聞こえてきたユーリの言葉に、誰もそんなこと言ってねぇだろうがとローは睨んだ。
その言葉に何やら安堵するユーリ。
ローは噛み合わない会話にどういうことかユーリに問いただした。
「いや…その…」
再び歯切れが悪くなったユーリに、ローは黙々と食べながらその様子を伺っていた。