第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「何がしてぇんだ、おまえは」
ローは呆れた表情で大皿をテーブルに置くとユーリに視線を向けた。
「あーあー、げほっ」
ローが視線を向ければ、ユーリは何やら軽く咳き込むような仕草をしている。
そんなユーリに怪訝な顔をしてローは見ていた。
「えー今日はローの誕生日だというので一曲歌います!!」
「…は?」
ローの困惑気味な声を気にすることなく、軽く息を吸い込むユーリ。
「ハッピバースデートゥーユー♪ハッピバースデートゥーユー♪ハッピ「ちょっと待て」
色々と突っ込みが追い付かない状況に漸くローは我に返ると、ユーリの口を手で塞ぎ強制終了させた。
「取り合えず落ち着いてそこに座れ」
ローは近くのソファーに座るとその隣にユーリを座らせた。
そして頭を軽く掻き今の状況を整理していった。
「なぜ強制終了するんですか!せっかく恥ずかしいから勢いでやろうと思ってたのに!」
「…おれが恥ずかしいとは思わないのか」
なんとなくユーリのやりたいことが分かってきて、ローはため息を吐いた。
ローの誕生日を教えた記憶はないので恐らくクルーの誰かが言ったのだろう。
正直忘れていたのでかなり油断していた。
いや、ユーリが祝ってくれるのはありがたいが、何にしろ唐突過ぎて気持ちが追い付かなかったのだ。