第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「えーでもユーリはそのうちキャプテンと一緒に暮らすんだよね?ご飯どうするの?」
ベポの最もな意見に、周りのクルー達も興味を持ったようだった。
ローが料理をすることなんて一度も見たことがないので、必然とユーリが作ることになるだろうと思ったのだ。
「………そのときは可もなく不可もない料理が出てくる」
「だからどんな料理だよ!?」
ペンギンだけでなくシャチも突っ込み始めた。
「もしくはロー自ら作れば万事解決だ」
「あのキャプテンに料理までさせるとか、まじやべぇなおい」
ユーリの本気か冗談か分からない言葉にペンギンは頭を抱えた。
ユーリとローの力関係は分からないが、あのローが大人しく従うとも思えない。
だが、ユーリが強い時があるのも事実だ。
何だかんだで振り回されてるローの姿を思い出し、クルー達は顔を引きつらせた。
「ユーリって今まであまり料理したことなかったの?」
周りがざわつく中、ベポだけは普通に会話していた。
「そうだなぁー、そんな暇なかったしなぁ」
ユーリは苦笑して適当に誤魔化した。
ユーリの幼少期の話を知るのはローだけだ。
ユーリは母親の料理も知らないし、生きるのに必死だったから落ち着いて料理をした記憶はないのだ。
しかし今この場でそんな暗い話をするつもりはない。
「そもそも、どうして急に料理の話が出たの?」
ユーリは話題を逸らす為にも、少し気になったことを聞いた。
「それがもうすぐキャプテンの誕生日だから、ユーリが手料理でも作れば喜ぶんじゃないかと思ってたんだけど…」
ーーーなんだって?
ベポのまったく予想してなかった言葉にユーリは驚いた。
確かに今何月かまったく気にしてなかった自分も悪いが、まさかそんな時期が来ていたとは。