第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「隙あり!!」
ガチャン
ローが完全に考え込んでいると、何時の間にか海楼石の手錠を片手に付けられていた。
「…てめぇ」
ローは一瞬でもユーリだと思った自分が馬鹿らしくなった。
外見と雰囲気が似てるなら全部ユーリだと思う病にでもかかっているのかと、自分自身に呆れていた。
そしてやはり賞金狙いだった男に素手で攻撃を仕掛けるが、相手も中々手強かった。
暫く両腕を掴みギリギリと押し合っていたが、海楼石のせいかローの方が僅かに負けていた。
寧ろ海楼石を付けても尚、この腕力なら凄いほうだろう。
「おりゃぁ!」
そして謎の掛け声と共に身体を背後に突き飛ばされた。
ガチャ!
倒された先はベットの上であり、なんと片手に付けられた海楼石の手錠をベットの柱に固定されてしまった。
「……このッ」
ローはもう片手で相手を押しのけるがいまいち力が入らず舌打ちをした。
(なんて様だ、まさかこんな軟弱野郎に負けるのか)
ローは一瞬頭をよぎった死という言葉に眉をひそめた。
ユーリに似ているからという理由で油断して捕まり、更にはユーリの行方もまだ分かってない。
まだユーリがこの男に捕らえられてると決まったわけじゃないが、とんだ失態だ。
そしてそうこうしている内にもう片方の手も海楼石を付けられてしまった。
ローは殺される前に対処法を見つけようと考えを巡らせていたが、白髪の男が上に乗ってきたのでその考えを中断した。
「おい、何をしている」
ローは死を覚悟して身構えたが、どうも目の前の男からは殺意を感じなかった。
「はぁ、やっとここまで来た。これで君を好きに出来るね」
「……はぁ!?」
男の言葉に一瞬理解が追い付かなかったが、ローは思わず大声を上げてしまった。
なんとこの男はローの命が狙いではなかったのだ。
まさか本当にロー相手にヤろうとしているのか。
ここにきてローの表情は初めて青ざめた。