第1章 前編 時の彼女と死の外科医
(……皮膚が…白い?)
ユーリはローが後ろを向いているのをいいことに、その背中を凝視した。
範囲は狭いが、以前はなかった白く色の変わっている皮膚を見つめていると、あることを思い出した。
(珀鉛病!?なんで、どうして?治ったんじゃないの?)
ユーリは医者じゃないのではっきり言えないが、どう考えてもそうとしか思えなかった。
位置的にローから見えない場所なので、本人は気づいていない可能性が高い。
悪魔の実の力で治ったと思っていたその病は、完全に治ってなかったのだ。
きっかけは分からないが、13年の月日をえて再びローの身体を蝕もうとしている。
ユーリは目の前が真っ暗になる感覚に陥った。
「…?どうした?」
ユーリがローを凝視していることに気づき、水をテーブルに置くとベットに近づいてきた。
(せっかく長年の苦しみから解放されたばかりなのに、どうして彼ばっかりこんな目にあわないといけないの)
「ユーリ?」
(……私が望むのはローの幸せだ。どうすれば彼が幸せになるか、私にできることは何なのか、そんなの1つしか思いつかない…)
パシッ
心配そうにユーリの顔に手を添えて覗き込んでくるローの手を、叩き落とした。