第1章 前編 時の彼女と死の外科医
因みにユーリは今日リク王から頂いた金品を換金して、ローに昨日のお金を返した。
ローは受け取ろうとしなかったが、ローへ買った品物もあるため意地でも返してやった。
「あれ?その手の怪我はどうしたの」
ユーリは鬼哭が消えて落ち着きを取り戻すと、ローの手が少し赤くなってることに気づいた。
「あ?……あぁー昨日の…」
ロー自身もまったく気づいていなかったため、一瞬なんのことか分からなかったが、昨日ユーリの周りにいた男共を素手で殴り飛ばしたのを思い出した。
「…あぁ~」
そしてユーリも、なんとなく察したようで気まずい表情をした。
別に痛みもないし気にすることはないとローは伝えたが、ユーリはやはり気になるようだった。
ユーリはローの赤くなった手を持つとじっと見つめた。
するとどうだろう、ローの赤く腫れていた場所は綺麗になくなった。
「…おい」
ローは眉間の皺を更に深く刻みユーリを見た。
そしてドレスローザから気になっていたことを問いただすと、渋々白状したのだ。
グリーンビットで不思議な能力を貰えたと。
相手の怪我を治せないが、ユーリ自身に移せる能力だということを。
「……」
ドレスローザで傷が消えていた原因は、やはりユーリだった。
ローは深くため息を吐くと、もう二度とその力は使うなと釘を刺した。
本人は素直に返事をしたが、本当に分かってるのか怪しい。
「……手を出せ」
とりあえず、ユーリの赤くなった手を手当てする。
ローは益々ユーリから目を離せなくなると、再びため息を吐いたのだった。
そして今日の朝決めた半日のタイムリミットまで、あと一時間というところまで来ていた。