第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「……え!?」
どうやら頭のネジが緩いユーリでも理解してくれたようだ。
一瞬にして顔を赤くしローの手を離すと、ソファから立ち上がり後ずさった。
そのリアクションは気に入らなかったが、取り合えず意識して貰えたようなのでよしとすることにした。
「な、なにが起きてるんだ!?アリエナイ」
ユーリはローから好意を寄せられる理由がまったく思いつかず動揺した。
どんな奇跡が起きればこんなイケメンの憧れの人から告白を受けれるのだろうか。
そんなの漫画の世界でしかありえない。
(あっ、そうか夢か!)
ユーリは軽く現実逃避した。
「勝手に人の好意を否定するんじゃねェよ」
しかしローの言葉にユーリは再び現実に戻ってくると、ゆっくりと首を振った。
「だって、理由がないです」
「…好きになるのに理由なんてねェだろ」
「わぁ、なにそれかっこいい」
ローの言葉にユーリが茶化しながら呟くと、もともとあった眉間の皺が更に深く刻まれた。
「…頭で分からないなら、身体に分からせてやろうか?」
「すみません、嘘です、冗談です。今真剣に考えます」
ユーリはローが不穏なことを言ってきたので、慌てて自分の気持ちを整理していった。
といってもユーリは元々憧れであれなんであれローが好きなのは変わりない。
後はそれが恋人になりたいかということだ。