第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「……好きだ」
静かに呟いた声が部屋に響き渡る。
本当はもう少しましな場所で伝えるつもりだった。
しかし今すぐユーリの誤解を解きたかったので、諦めてこの場で伝えることにしたのだ。
「……ん?」
ユーリは首を傾げた。
ローの非常に珍しい好意を伝える言葉を、まるで理解していない。
(…この野郎)
しかしユーリだから仕方ない。
下手したら手の甲が好きなのかと思ってそうだ。
ローは深いため息を吐いた。
「おれは、ユーリを、性欲処理の道具だと思ったことはない。好きだ、愛している、そう言ってるんだ」
ローはわざと一言一言区切ってはっきりと伝えてやった。
流石にこれで分からなかったら頭を切り刻んでやろうと思っていたが。