第1章 前編 時の彼女と死の外科医
「怒ってるってローが?」
「いやおまえだ」
「…なんで?」
「……はぁ」
「えっ、なんでため息、てか怒ってるのはローじゃないの?」
「そうだな」
「……やっぱり。昨日一夜を供にするはずの女性がいたのに、私が余計な事態になったばかりに…」
「は?」
「え?」
かみ合わない会話にローはどういうことかユーリに問いただした。
すると何をどう思ったのか、ユーリの頭の中では昨日纏わりついてきた女とローはそういう行為をすることになっていたらしい。
何がどうなればそう思えるのか一度脳内を切り刻んでやりたくなったが、なんとか堪えた。
そもそも昨日散々酷い目にあったのに怒るどころか、逆にローが怒ってると思うあたりもおかしい。
確かにユーリが危険なことになっていたので怒っていたが、それはユーリの為を思ってのことだ。
しかもそれを理由にあのようなことをしたのだから、やはり怒るとしたらユーリのほうだろう。