第1章 前編 時の彼女と死の外科医
それからユーリは渋々ベットから降りて、ローが座っているソファーの向かい側に座り黙々と朝食を食べた。
二人の間に沈黙が流れる。
(……なんかまだ怒ってる?うーん、そんな雰囲気ではないがなんだこの空気は。いや、確かに全ての元凶は私だが。これは再度謝ったほうがいいのか?)
静かに本を読むローに、ユーリはだんだん恐怖を覚えてきてソワソワし始めた。
そもそもローがユーリを抱く理由は、性欲処理と思われるので謝る必要はあるのだろうか。
寧ろ昨日の状況は一石二鳥なんじゃないだろうか。
というか性欲処理に使われている事実を怒らないユーリもどうかしてるが。
(それとも昨日傍にいた女性と一夜を過ごす予定だったのに、私が面倒なことになったので怒ってるのだろうか。
駄目だ、なんか虚しくなってきた。というかなんか悲しくなってきた)
考えれば考えるほどローという人物が分からなくなり、ユーリの表情は険しくなってきた。
「……怒ってるのか?」
「…へ?」
ユーリが悶々と考えてると、いつの間にかローが本を閉じてこっちを見ていた。