第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ローはいい加減まとわりつく女性陣にキレそうになったので、一回この場を離れることにした。
どうせまだユーリは戻ってこないだろうから、頃合いを見て戻ればいい。
ローはベンチから立ち上がると、どこか休める場所はないかと辺りを見渡した。
「……?」
そして少し離れたベンチを囲むようにして出来ている人だかりが視界に入り、ローは思わずその中心に目を向けた。
「…っ!あの馬鹿が!」
ローはその中心人物がユーリだと気づくと、舌打ちをしてこれ以上にないくらい殺気を向けた。
そんなローの気迫に周りの女性たちは逃げていくが、そんなことはどうでもいい。
一体何時戻ったのか知らないが、恐らくローが話し終わるまで何時までも待ってようとでも思ったのだろう。
なんとなくユーリの考えが分かりローは頭を抱えた。
今後2人の間で決めなければいけない事項が幾つもあるが、まずはあのクソ野郎共をぶっ飛ばすのが先だ。
明らかに下心があると分かるのに、何時までたっても無防備なユーリにローの心は凄まじく荒れた。
そして大股でユーリの元へ向かうと、ユーリの様子がおかしいことに気づいた。
ローはユーリの手にあるお菓子に気づき、そんなユーリの肩に手を回そうとしている男性に気づき、ついにキレた。
「ぐはぁ!?」
ユーリの肩に手を置こうとした男性は、遥か後方に吹っ飛んでいった。
そしてその他ユーリの周りにいた男性陣もローは容赦なく蹴散らしていくと、反応のないユーリを抱え上げROOMを発動させた。