第1章 前編 時の彼女と死の外科医
そしてそんなローを、これでもかというくらい凝視してくるユーリ。
ローは視線が煩いとユーリに文句を言い、さっさと寝ろと命令した。
「まじかよ、これ絶対寝れないパターンだ」
「……お望みなら寝かせねェが?」
「いや、違う、そうじゃない。って余計な事思い出したから余計寝れなくなったじゃん!」
腕の中で何やら唸っているユーリにローは声を殺して笑うと、そのまま瞳を閉じた。
流石のユーリもこれ以上騒ぎはしなかったが、本当に寝れないのだろう。
暫く腕の中で居心地悪そうにジリジリと動いていた。
ローが大人しくしろと言えばユーリが無理と言う。
なにやらローの腕が重いとかユーリの身体の下から回している腕が気になるとか。
そして暫く似たような会話を続けるうちに、漸く落ち着くポジションを見つけたのかユーリも寝る体制に入った。
それから2人が深い眠りにつくまでそう時間がかからなかった。
ローは久しぶりに感じる安らかな時間に、ユーリを抱く腕に力を少し込めると深い眠りに落ちていった。