第1章 前編 時の彼女と死の外科医
ユーリは不思議そうな顔しつつ、素直にローの隣に腰を掛けた。
その無防備さもどうにかならないのかとローはため息を付きたかったが、まずは当初の目的を果たすことにした。
ローはユーリを腕を掴むと徐に袖を捲った。
「んん!?」
ユーリは咄嗟に腕を引こうとしたが叶わず、ローに文字の跡を見られてしまった。
「これが全身に回ると、おまえは死ぬんだろう?」
ローの言葉にユーリはあれっと思った。
いつの間にか話していたのだろうかと首を傾げた。
「少し前に、おまえが誰かとそう話しているのを聞いた」
ユーリの疑問を汲むようにローは答えた。
実はユーリと妖精が船の上で話していたのを、たまたま通りかかったローは聞いていたのだ。
その時は特に気には留めなかったが、ユーリに好意を寄せた以上黙って見過ごすわけにはいかない。
といってもドレスローザでだいぶ無理をさせてしまった事実は変わらない。
変わらないが、まさかここまで浸食が進んでるとは思わなかった。
ドレスローザに着く前にユーリを抱いたときは、まだ少ししか進行してなかったはずだ。
それがもう3分の2ほど進行している。
ユーリの寿命が縮んでいる事実に、ローの眉間のシワは更に深くなった。