第1章 前編 時の彼女と死の外科医
船にはいくつか部屋があり、ローが使っていた部屋はそれなりに広いものだが殺風景だった。
ドレスローザで仕入れたのか本が幾つか散らばっていたが、あとは机にイスに棚とベットがあるだけだった。
どうせゾウにつけば自分の船があるので、あまり物を増やしたくないのだろう。
ユーリは部屋の中を物珍しそうに見ていたが、とりあえずイスに腰かけた。
ローはベットに腰かけると、テーブルに置いてあった本を珍しそうにペラペラ捲っているユーリを見ていた。
扉を開けてローと目があった瞬間、この世の終わりのような表情をしていたユーリだが、すでに何時ものユーリに戻っていた。
「医学書ばっかりですね。他の本は読まないんですか?」
「読むときもあるが、あまり興味がねェからな。ほとんどが医学書だ」
「ふむふむ、何もないときは本を読んで過ごしてるんですか?それとも他に趣味とかあったりするんですか?」
「…趣味は特にない」
「えぇぇ?なんか集めたりしないんですか?」
「…………記念コインはたまに集めてるが」
「おぉ~」
ユーリはですよね!と内心呟いた。ローの趣味が放浪と記念コイン集めなのは知っていたのだ。