第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
私の気持ちを読んだように
"なんでも聞いてやる"と
繰り返す二人に
小さく頷き
二人をリビングへと招いた
「カップとかどこ?
俺が淹れてあげるから
座ってなよ
松川、相手よろしく」
リビングに入ると
花巻がカウンターに立ち
お茶の支度を始めた
『え?でも…』
「たまにはいたれりつくせりも
良いんじゃない?
ほら、百戦錬磨の松川クンに
話聞いてもらいなさい」
手際よくお茶の用意をしながら
私をリビングのソファーに追いやる花巻と
「はいはーい。
キミはこっちね?
さて。まずは何から聞こうかなー?
とりあえず
及川に対する不満から
ぶっちゃけとく?」
私を横に座らせ
トン、と背中を叩く松川
『不満…って言うか…』
さぁ、言えと言われたら
浮かんで来ない言葉
「あるっしょ?
なんせあんなんでもモテるからねー
日頃からイライラする事も
あったんじゃね?」
『日頃から…ってわけでも…
私は…ただ…』