第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
次の日の朝
「おはよう、姫凪
昨日えらい早く寝たんやな
晩御飯やって起こしても
全然起きへんし」
珍しく支度を済ませたサクラが
朝食のパンをかじりながら
コーヒーをすすってる
『…そ、うやった?
爆睡してたわ
サクラこそ今日は早いやん
日直かなんか?』
本当は起こしに来た声で
目は覚めてた。
けど…合わせる顔がなくて
気付かないフリをし続けた
ホンマは今日の朝も
サクラが起きる前に支度して
早く出かけようと思ってた
侑を呼び出して
チャント話そうと思っててんけど…
「…うん、そんな所。
だから今日は先に行くわ」
見事に先越された
「姫凪?」
『…なんもない!
髪の毛やってくる
気ぃつけて行きや』
「…うん」
なんもない事ない。
握りしめてた携帯には
[すまん、今日一緒に行かれへん]
"おはよう"もなく
この一文。