第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「おん…両方食う
その前に…サクラすまん
チョットだけこうしてて…」
浮かれてオニギリの袋を取り出した
私の腕を引き寄せて
肩に頭を預けて来る
「治くん?」
「昨日楽しみにし過ぎて
寝られへんかってん…
サクラ…ゴメンな…
チョット寝かせて」
腰に回された手
賑やかな動物園の中で
私達だけ
時間が止まってるみたいに静かで
私の心臓の音が
やたら響いてる気がする
「…治くん…?
大丈夫?
あの…無理して食べへんでも…」
「食うよ…サクラが
作ったモン残すわけないやろ
ただ…チョット寝不足キツイだけ…」
ギュッとしがみついた治くんに
心臓の音はまた少し早くなる
寝不足やから?
ホンマに?
…って!何考えてるん!
信じるって決めたやん!