第69章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋(宮侑 治)⑤
「うん!エエよ
私の肩で良かったら
…治くん…が落ち着くまで
こうしてよう」
治くんの髪を撫でると
小さく聞こえる"ゴメン"
その意味の真相は分からへんけど
私は信じるしかない
負に傾きそうになる気持ちを
必死に治くんの香りで紛らわせた
「…オシッ!もう大丈夫や!
飯食うて動物園回ろか!
ふれあいコーナーも行きたいな~
その前に腹拵えせな!」
数分の沈黙の後
ガバッと身を起こした治くんが
私の持ってたオニギリの包みを開けて
豪快にかぶりつく
「ちょ…そない押し込んだら
喉詰める…」
「!?!サクラ!
お茶…!!」
「ほら、言うたやん!
早く飲んで!」
さっきの空気が嘘みたいに
カラリと明るくなって
「美味すぎて詰め込みすぎた…
サクラの飯美味いなー
ずっと食わせてな?」
フワリと甘い空気に変わって行く