第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
「…姫凪なら
居らんぞ?
泣いて帰ったさかいな」
しかも、泣いて帰った?
まさか…
「な、何したですか?!
まさか姫凪を…」
オオカミに!?
いや、ありえへん
ありえへん、よな?
「…本人に聞けや
言うか分からんけどな」
無表情のまんま言い放たれ
向けられる背中に
ザワザワと髪の毛が逆立って
「どういう意味ですか!
言うか分からんって
言えへん様な事したんスか!」
北さんを思いっきり怒鳴りつけた
「…」
「…す…」
いや!謝らへんぞ!
姫凪を泣かしたんやったら
いくら北さんでも…
「なんで俺が泣かさなアカンねん。
人のせいにすなや
お前こそ今の今まで
どこで何してたんや?」
ん?泣かしてへんの?