第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
とりあえずインターホン押さな
話は始まらへんし
そう思って指を伸ばした…ら
「なんや?
遅かったやん。
もっと早よ来る思っとったんやけどな」
玄関が開いて
北さんの顔がヌッと出て来た
「うっわ!
なんなんスか!?
エスパー!?
え!?いや、俺は…」
「なんやねん?」
「あ…いや…」
アホか!俺!
なに怯んでんねん!
北さんなんか怖く…
「ハッキリ言えや」
怖っっ!
そのベビーフェイスで
威圧感あるって何やねん!
怪物なんか!
真っ直ぐ見る北さんに
後退りしそうになる俺に微かに届く
姫凪の香り
玄関に女モンの靴はない
ただ…香りが移ってるって事は
結構近くに居たって事やんな?