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私を愛したモノなど

第3章 2 暖かな黒の中で



「……ジェイド、彼女が困っているのならば、それを助けるのは私の役目だと思わないか?」

「そのお言葉には総じて賛同致しますが、今はその時では無いものかと。」

「ジェイド……お前も、偉くなったものだな?」

「いえ、私はお嬢様の意を体したまでで御座いますよ、旦那様。」

ハイデスさんとジェイドさんを交互に見る。
ちょっと威圧的に薄く笑ってるのはハイデスさん。それを爽やかに受け流すのがジェイドさん。

これは、どういうことか。
つまりえっと、何故か丁寧な言い争いをしている二人に挟まれてどうしたらいいのか分からない。

「アンリ、君はどう思う?」

「え、あ、何でしょう……?」

急に話を振られて、会話の真意を理解出来ていなかった私はちょっと慌てた。

「私は可能な限り君の力になりたいと思っている。どんな些細なことであれ、出来ることがあるのならば私は喜んで引き受けるだろう。……でも、……私のそんな想いは、君にとって余計な御世話というものなのだろうか。」

「ハイデス様、そのような言い方をなさっては語弊が生じます。」

「煩いぞ、少し黙っていろ。」

ずい、と迫るような圧に思わず後ずさるように体勢が後ろへ逃げる。

「アンリ?聞かせて欲しいんだ。私は、君が不快に思う事をしたくはないのだから。」

ドクドクと騒ぐのは勿論、私の心臓で。
いや、親切心だよね?単に、何も分からない私を助けてくれるとか、そういう意味で言っているのだと分かっていてもこの距離はダメですってば!

何を聞かれたのか曖昧になるほど緊張した私は、あろうことかそのまま後ろに体勢を崩した。

「、ひゃっ……!!」

「おっと……大丈夫か?」

フワッと香る爽やかなそれは少し凛々しくて、耳元に聞こえたテノールと、腰へと回された腕の感覚でハイデスさんに支えられたのだと気が付く。
要するに、抱き抱えられている状態で……。

「っ、あ、あああのっ、離して、くださ……っ!」

「、アンリ……?」

慌てふためく私は、耳まで真っ赤だった。
自分でもそれがよく分かるから両手で顔を隠す。
だって、ハイデスさんの顔見れない。
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